--1915年、フランス北部ロレーヌ地方--
『ドンレミ村』
フランスに進攻を開始したドイツ帝国軍の兵士は、 この寒村にも姿を現した。
目指すは村の中央に建つ古い教会。
散開し、教会を目指す兵士たち。
ここに潜むといわれている「悪魔」の正体をつきとめ、 退治するのが部隊に課せられた任務だった。
しかし、教会の中はカラであった…
暗い聖堂内を、ゆらぐ陽光だけが照らしている。
部隊の指揮官である彼女も、 ゆっくりと教会の中へ入った。
しんと静まりかえった教会の中に足音が響いたとき、 彼女の脳裏には上官の言葉がよぎった。
「1915年、この科学の時代に、 その悪魔は教会を根城にしている…」
宿命に導かれた、 壮大な冒険と悲劇の幕開けであった…